Columnコラム
2026年3月10日コラム
歯周病は治るの? 放置しても自然治癒しない理由と症状別の歯周病治療

「歯周病は治りますか?」患者様からよく受ける質問です。
歯周病は、残念ながら自然に治ることはありません。ただし、進行の程度によっては改善させることは可能です。
この記事では、歯周病が自然治癒しない理由や進行度別の治療法、重度歯周病で注目されているブルーラジカル治療について解説します。
目次
■歯周病は治るの?
歯周病は「治る」「治らない」と両方の情報を聞いたことがあり、どちらが正しいのか混乱している方がいるかもしれません。
◎歯周病における「治る」とは
歯周病は、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)や歯茎が炎症し破壊される病気です。失われた骨は、軽度であれば一定の回復が見込まれる場合もありますが、基本的に完全に元の状態に戻ることは難しいとされています。
そのため、歯周病における「治る」とは、完全に元の状態に戻ることではなく、炎症が抑えられ進行が止まり、安定した状態になることを指します。
◎早期であれば改善が期待できる理由
歯茎の炎症だけにとどまっている段階、いわゆる歯肉炎であれば、適切な処置とセルフケアによって健康な状態に改善させることが可能です。
歯石を除去し、適切な方法で歯磨きをすれば、歯茎の炎症が治まり、歯肉炎は改善します。
◎進行すると元の状態に戻らない理由
歯周病が進行すると、歯槽骨が徐々に溶けて歯がぐらつき始め、最終的には抜け落ちてしまうことがあります。
一度失われた歯槽骨は再生療法などの選択肢はありますが、すべてのケースで適応できるわけではなく、元通りの状態にすることは容易ではありません。
しかし、進行し重症化してしまった歯周病でも適切な治療を行えば、それ以上進行させずに安定させることができるケースが多くみられます。
■歯周病が自然治癒しない理由
歯茎からの出血が治まることがありますが、これは自然に治ったわけではなく炎症が一時的に静まっているだけというケースがほとんどです。ここでは歯周病が放置していても治らない理由を解説します。
◎歯周病の原因は細菌感染であること
歯周病は、歯と歯茎の境目に付着したプラークの中で増殖した細菌が産生した毒素によって、歯茎や歯槽骨が破壊されていく感染症です。
そのため、出血が一時的に治まっても原因となる細菌が残っている限り、治ったわけではないのです。
免疫で一時的に抑え込むことはあっても、完全に細菌を排除することは難しいことが、自然治癒しない理由です。
◎歯石はセルフケアで除去できない
磨き残しで長期間歯垢(プラーク)が放置されると、石灰化して歯石になります。歯石は、表面がざらついているため、歯茎や歯槽骨を破壊する毒素を産生する細菌が付着しやすい状態です。
歯石はご自身の歯磨きでは除去できないので、歯科医院で専門的な器具で除去してもらう必要があります。
■【進行度別】歯周病の治療法
歯周病の治療法は、進行度によって異なります。ここでは進行度別に実際に行われている治療法を紹介します。
進行度別の歯周病の症状について詳しく知りたい方は「歯周病の症状セルフチェック|重度の歯周病治療に注目のブルーラジカル」をご覧ください。
◎軽度歯周病の治療
軽度歯周病の治療は、歯石やプラークの除去が中心です。専用の器具を用いて歯の表面や歯茎の縁についた歯石を除去し、細菌が増殖しにくい環境を整えます。
また、セルフケアの見直しも行われます。磨き方の癖や磨き忘れが多い部位を確認し、歯ブラシや補助器具の使い方を指導します。
この段階で炎症が抑えられれば、歯茎は引き締まって出血も落ち着き、早期であれば元の健康な状態に改善されやすいのが特徴です。
◎中等度歯周病の治療
炎症が進み、歯周ポケットが深くなってくると、歯茎の上からの清掃だけでは不十分になります。
そのため、歯周ポケット内に付着した歯石や感染物質を除去するルートプレーニングという処置が行われます。
歯の根の表面を滑沢に整え、細菌の再付着を防ぎます。処置後、炎症が落ち着くことで歯周ポケットが浅くなることもあります。状況によっては、局所麻酔をしての処置や外科的な処置を検討します。
◎重度歯周病の治療
歯を支える歯槽骨が大きく失われ、歯に動揺がみられるようになる段階では、より積極的な治療が必要になります。
ここまで進行すると、歯茎の深部にまで感染が広がっていることが多く、中等度までの治療では十分な効果を得ることが難しいケースが多いです。
歯周外科治療では、歯茎を一時的に開き、内部を直接確認しながら感染組織や歯石の除去、症例によっては歯周組織再生療法を行い、失われた組織の回復を図ることもあります。
近年では、重度歯周病に対してブルーラジカル治療という方法が用いられることもあります。ブルーラジカル治療は、特殊な光と薬剤を組み合わせ、歯周ポケット内部の細菌を殺菌します。
ブルーラジカル治療で使用する機器には、超音波振動が搭載されており、物理的に歯石とプラークの除去も可能です。ブルーラジカル治療は、すべての症例に適応できるわけではありませんが、重度歯周病の治療法として注目されています。
ブルーラジカルについては「重度の歯周病治療に「ブルーラジカル」という選択肢 その効果とは?」もあわせてご覧ください。
【歯周病の進行度に応じた治療で歯を守りましょう】
歯周病は、放置して自然に治る病気ではありません。しかし、進行度に応じた適切な治療を行えば、症状を改善し、安定した状態を保つことは可能です。
まずは現在の状態を正確に把握し、それに合った治療を受けることが、歯を守るための第一歩になります。
都歯デンタルクリニックでは、一人ひとりに合った治療法をご提案し、患者様の歯を守ることに努めています。さらに、重度歯周病の治療として注目されているブルーラジカル治療も導入しております。
