Columnコラム

2025年12月22日コラム

歯を失ったまま放置するとどうなる?抜歯後に起こるリスクと悪影響

歯が抜けてしばらくして痛みが落ち着くと、そのままに放置してしまう方が少なくありません。しかし、歯が抜けたまま放置していると少しずつ口の中で変化が起き、気づいたときには治療に時間がかかってしまうケースもあります。

このブログでは、歯を失ったまま放置すると起こりやすいリスクや悪影響、対処法について解説します。

■歯が抜けた状態を放置すると起こる主なリスク

歯が抜けた状態のまま放置していると、見た目や噛む機能、日常生活に少しずつ影響が出ることがあります。

◎噛む機能・噛み合わせに関するリスク

  • 噛み合わせが乱れてくる

歯が抜けた部分を放置していると、そのスペースに向かって周囲の歯が傾いたり、噛み合っていた反対側の歯が伸びてきたりします。こうした変化が重なることで、噛み合わせが悪くなってしまうのです。

  • しっかり噛めなくなる

歯は一本一本独立して機能しているわけではなく、全体で力を分散しながら噛んでいます。そのため、歯が抜けたままにしておくと、歯があった部分で物が噛めなくなるだけではなく、噛む力そのものが弱くなりしっかり噛めなくなってしまうことがあります。

  • むし歯や歯周病になりやすくなる

噛み合わせが乱れると、特定の歯に汚れが溜まりやすくなったり、歯ブラシが届きにくい部分が増えたりします。その結果、汚れの磨き残しが増えて、むし歯や歯周病が進行しやすくなります。

  • 口臭が出やすくなる

噛む回数が低下すると唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥しがちになります。さらに汚れが残りやすい状態が重なることで、口の中の細菌が繁殖しやすい環境となり、口臭の発生・悪化につながることがあります。

  • 周囲の歯に負担がかかりやすくなる

噛み合わせが乱れると、一部の歯に過度な力がかかるようになります。その結果、歯が欠けたり、ヒビが入ったりといったトラブルにつながるケースも少なくありません。

◎見た目に関するリスク

  • 歯並びが乱れてくる

歯を抜けたままにしていると、周囲の歯が少しずつ動き、歯並びが乱れていくことも。時間が経つほど悪化していき、輪郭など見た目の変化としてあらわれるケースもあります。

  • 歯茎が痩せてくる

歯が抜けると、その部分の歯茎や歯を支えていた骨(歯槽骨)が痩せていきます。その影響で歯茎の位置が下がり、口元が以前とは違った印象にみえることがあります。

  • 実年齢よりも老けて見えることがある

歯が失われることで口元の支えが弱くなり、ほうれい線が目立ちやすくなることがあります。さらに、噛む力や回数が低下することにより、顎周りの筋肉が衰え頬や口周りがたるみ、実年齢よりも老けてみえる場合もあります。

◎生活・全身に関するリスク

  • 胃腸に負担がかかりやすくなる

噛む力が弱くなると、食べ物を十分に噛み砕かないまま飲み込むことが増えます。その状態が続くと、胃や腸に負担がかかり、消化不良を起こしやすくなります。

  • 発音がしづらくなる

歯は発音にも重要な役割を果たしています。歯を抜けたままにしておくと、隙間から空気が漏れてしまうため、サ行やタ行など特定の音が発音しにくくなることがあります。

思い通りに発音できないことで過度のストレスを感じると、食欲不振や頭痛など、心身にさまざまな不調を招くことがあります。

  • 顎関節症を引き起こしやすくなる

噛み合わせの乱れは、顎の動きにも影響を及ぼします。無理な噛み方が続くことで顎関節に負担がかかり、口が開けにくい、顎関節が痛むといった顎関節症の症状があらわれることがあります。

  • 認知症との関連が指摘されている

噛む刺激は脳への血流を促す働きがあるといわれています。そのため、歯を失い噛む機会が減ると、脳への刺激が少なくなり、認知症のリスクが高まるという報告もあります。

■歯が抜けた場合に検討される主な治療法

歯が抜けたまま時間が経つほど、噛み合わせや骨の状態が変化してしまい、治療にかかる期間や負担も大きくなります。そのため、歯を失ったときは、できるだけ早く適切な処置を受けることが重要です。

◎インプラント治療

インプラントは、失った歯のあった部分の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。

自然な見た目を再現でき、天然歯に近い感覚で噛むことができます。外科手術が必要になるため患者様の負担が大きく、治療期間も比較的長くなる傾向があります。しかし、定期的に適切なケアを受ければ、長期間安定して使用可能です。

◎ブリッジ

ブリッジは、抜けた歯の両隣の歯を支えにして人工の歯を橋渡しのように装着する治療法です。違和感が少なく咀嚼力も大きく改善しますが、支えとなる歯を削る必要があります。さらに支えとして利用する歯には大きな力がかかるため、結果的に健康な歯の寿命を縮めてしまうこともあります。

◎入れ歯(義歯)

義歯は、取り外しが可能な人工の歯を使って失った歯を補う治療法です。短期間で治療でき、費用も抑えやすいですが、装着時の違和感や周囲の歯に負担がかかります。

さらに、長期間使用していると歯茎の形が変化するため、入れ歯の安定性の確保に調整が必要になることがあります。

【都歯デンタルクリニックは患者様に寄り添った治療を提供しています】

歯を失ったまま放置していると、噛む機能や歯並び、健康などさまざまな影響があらわれます。時間が経つほど治療に時間がかかる傾向があるため、歯が抜けてしまったらできるだけ早く歯科医院で適切な治療を受けることが大切です。歯科医師と相談し状況に合った方法で治療しましょう。

都歯デンタルクリニックでは、歯を失ってしまった患者様にインプラント・ブリッジ・入れ歯などさまざまな選択肢の中から丁寧に説明し、一人ひとりに合った治療を提供させていただいております。

患者様に寄り添って治療を心掛け、安心して治療を受けていただけるようサポートいたします。歯を失ってしまった方は、当院までお気軽にご相談ください。

都歯デンタルクリニック
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