Columnコラム

2025年12月10日コラム

痛みが少ない歯周病治療?ブルーラジカルのメリット・デメリットを紹介

歯周病は、自覚症状がほとんどなく、知らにうちに進行してしまうことがある感染症です。これまで重度歯周病に対しては外科的な処置をしてきましたが、最近「ブルーラジカル」という痛みが少なく、改善効果も期待できる治療法が注目されています。

この記事では、ブルーラジカルの特徴やメリットやデメリットを解説します。

■ブルーラジカルとは?

ブルーラジカルは、過酸化水素を分解し生成された高い殺菌効果を持つフリーラジカルが、歯周ポケット内の細菌を効果的に除去する治療です。

外科的処置が必要な重度の歯周病でも歯周ポケットの細菌を殺菌できる効果が期待できるため、従来の歯周病治療に比べ痛みが少なく短時間で治療できるなどの多くのメリットがあります。

■ブルーラジカルのメリット

ブルーラジカル治療には、従来の歯周病治療にはないさまざまなメリットがあります。

◎痛みや腫れの軽減

ブルーラジカル治療は、従来の機械的操作や外科的処置を行いません。その結果、従来の治療でよくみられる出血や炎症が少ないため、処置後の痛みや腫れが軽減できる可能性があります。

痛みに敏感な方でも、比較的安心して治療を受けられることもブルーラジカル治療のメリットです。

◎高い殺菌効果

ブルーラジカル治療は、過酸化水素に光を当てることで生成された高い殺菌効果を持つフリーラジカルで歯周ポケット内の細菌を効果的に除去します。

さらに、従来の殺菌剤に比べて、過酸化水素はプラーク内部まで浸透しやすいという点もメリットです。

◎深い歯周ポケットへのアプローチ

深い歯周ポケットは、従来の手作業では十分に届かず、細菌を取り除きにくかった部分です。しかしブルーラジカル治療は、深い歯周ポケット部分にも殺菌効果を発揮します。その結果、従来の処置では難しかった深部の歯周病改善も期待できます。

◎抗生剤の使用抑制

ブルーラジカル治療は、深い歯周ポケットの部分にも殺菌効果が期待できるため、抗生剤に頼る必要がほとんどありません。そのため、薬による副作用やアレルギーのリスクを軽減でき、さらに耐性菌の発生リスクも抑えらる場合も。

過去に薬剤アレルギーを経験したことがある方や、長期的な健康リスクを気にする方にとっても安心できる治療です。

◎治療時間の短縮

ブルーラジカルの照射は、1歯あたり平均5分ほどで済むため、従来の治療よりも短い時間で行うことができます。

さらに、重度歯周病に対するブルーラジカル治療の臨床検査では、従来の治療に比べて歯周ポケットの減少量が大きいだけでなく、短期間での改善がみられたと報告されています。

つまり、ブルーラジカル治療は、治療時間の短縮に加え、短期間で歯周病の改善効果が期待できる効率的な治療なのです。

■ブルーラジカルのデメリット

ブルーラジカル治療のメリットだけでなく治療前にデメリットも知っておくことで、より安心して治療を受けられるようになります。

◎適用範囲が限定されている

ブルーラジカル治療は、軽度の歯周病には過剰な治療となることがあります。また、骨吸収が進行しているケースでは、歯周組織再生療法や骨移植などの外科的治療が必要になることもあります。そのため、ブルーラジカル治療はすべての症例で適応できる治療というわけではありません。

◎保険適用外のため費用がかかる

ブルーラジカル治療は、健康保険適用外の自由診療として扱われているため、費用が高くなる場合があります。経済的な負担を心配されている方は、事前に歯科医院に費用を確認しておくことをおすすめします。

◎効果の持続に個人差がある

ブルーラジカル治療後の効果には個人差があります。生活習慣や口腔ケアの状況によって再発するリスクも異なります。効果をできるだけ持続させるためには、定期的なメンテナンスと適切なセルフケアが必要です。

◎治療を受けられない人もいる

すべての人がブルーラジカル治療を受けられるわけではありません。妊娠中の方や特定の持病を持つ方(無カタラーゼ症、光過敏症など)、局所麻酔ができない方、ペースメーカーを使用している方などは治療を受けられない場合があります。

治療を検討する際は、必ず事前に歯科医師と相談して、治療が受けられるか確認することが重要です。

ブルーラジカルの効果や保険適用の有無などについて詳しく知りたい方は「重度の歯周病治療に「ブルーラジカル」という選択肢 その効果とは?」をご覧ください。

【歯を守るために一人ひとりの状態に合わせた治療計画をご提案しております】

ブルーラジカル治療は、痛みや腫れの軽減や治療時間の短縮など多くのメリットがあります。一方、自由診療のため費用がかかるなどのデメリットもあります。

大切なことは、メリットとデメリットをよく理解したうえで、ブルーラジカル治療を受けるかどうかを決めることです。

都歯デンタルクリニックでは、患者様の歯をできるだけ守るために、一人ひとりの状態に合わせた治療計画をご提案しております。

また、ブルーラジカル治療を希望し遠方から来院した患者様には、ご希望にお応えできるように柔軟な対応を取らせていただいております。歯周病に悩みブルーラジカル治療にご興味をお持ちの方は、当院までお気軽にご相談ください。

都歯デンタルクリニック
歯科医師
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